この秋学期の間、学校の授業や家で財務の基本的な勉強を継続的に行っている事もあり、各社のIRを興味本位で見る事が多い。(殆どネット系企業)
そういう意味でも、おや?と思ったり、なるほどー!と思ったりで日々面白かったりする。
丁度この前の金曜日もサイバーエージェントからストックオプションに関するプレスリリースが出ていた。
ストックオプション(新株予約権)の付与に関するお知らせ
要約すると役員に対して役員報酬以外にストックオプションを付与するというもの。
つまり、業績が良くなればその後そのストックオプションを行使する事がインセンティブとして働く。ある意味、経営者にも業績に応じた報酬を、という意味で上場企業では比較的に行われている事だ。
特に海外の会社は給料+ストックオプションが多い。(破綻したリーマン・ブラザーズも社員への報酬は給与+ストックオプションだったようで、当時の社員の多くは破綻時に財産の多くを失っている。そもそもストックオプション自体通常行使時にその会社にいないと無効なので、会社がなくなっては意味がないのだが。。)
個人的には上場会社においてこのストックオプションの割当のタイミングは非常に大事だと思っている。
なぜなら、株価の上昇は会社の業績以上に株式市場全体の良し悪しで決まってしまう部分がある。つまりマクロ経済上の経済が縮小していて増収増益であったとしても高い株価は付かない。
そうなると、景気が悪い時にストックオプションを付与すると、必然的に景気が良くなる事で株価が上がり、権利行使時に相対的に株価も行使価格より高い可能性が高い。
また、今回はこの発表と同時に9月期の業績発表があったのだが、併せて増配のプレスリリースも出た。700円から1000円の増配。
これは簡単に書くと、当期純利益の30%という基準で照らし合わせての妥当な増配のようで、つまりは内部留保するよりその分株主に還元をというものである。
話をストックオプションに戻すが、仮に増配をする場合としない場合では、配当落ち後の株価は異なる。
ざっくりと書くと、ほぼP0(現在の株価)=DIV1(配当)+P1(配当後の株価)である為、理論上は市場の動きや業績の動きが無い場合配当落ち日の後は株価は-1000円程度下落する。ストックオプションの付与のタイミングがどういう時期になるのかというのも気になるところだ。(ちなみにこれは増配云々は厳密には関係なく、どういうタイミングで割当日になるかという所がポイント。割当日について詳しく見てみようかと思ったらIRサイトのPDFがなぜかリンクエラーで見れなかった。。)
とはいいつつも一方で、マザーズ株でかなり上下の激しい市場でもあるので、上記の通り株式市場の動きとの連動はかなり小さいといえるし、配当によるその日の理論値1000円(株価約1%)の株価下落もそこまで大きいものではない。どちらかというと、大きな発表や新サービスのリリースなどの方が株価決定の要因に大きく働くと思われる為、ある意味ベンチャーだからこそ出来る施策なのかもという気もしている。
ちなみに話を変えるが、グリーも金曜日に株式売り出しの発表をした。LINK
これは何を意味するのかはわからないけど、今の株価(現在、市場が評価しているグリーの企業価値)が高いからという経営陣の判断なのか。
まあグリーなんかだとこの株価は何となく妥当性のあるような気もするけど、実際計算してみると企業価値と株価に乖離があるのだろうか。
そんな疑問もあったりする。
なんか色々つまらない内容をグダグダと書いてしまった。
また話は変わるが最近読んだ本でこれはよかった。
先日、牧さんとメッセンジャーでデフタパートナーズの話題になった時に出てきた本で、早速読んでみた。内容もわかりやすくてよい。比較的、学校で習った事の話題の復習的にも違う角度から見る意味でもよかった。
ちなみにこの本では上記話題の公開企業のストックオプションについてはネガティブな意見が書かれていた。その矢先に見たプレスリリースだったのでかなりインスパイアされたが、個人的には公開企業にも色々あるので良し悪しがあると思う。
まあ一般論で言うと、エンロンやワールドコムの事件は経営陣による粉飾(虚偽の業績アップ)で、その原因は経営者の自らによるインセンティブに対する過ちから来るものなので否定的なのだろう。
そんな感じでちょっと時間があったのでブログにまとめてみた。
こういうのは文章にするとなかなか自分で考えている事がすっきりしてよい。正しいかどうかは別にして。
あくまでここに書いた事は第三者的な私見なのでご了承くださいませ。