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「4Gbpsを超えるWebサービス構築術」(livedoor著)を読んだ

4Gbpsを超えるWebサービス構築術4Gbpsを超えるWebサービス構築術

ソフトバンククリエイティブ 2009-08-21
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割と最近発売の、livedoorの技術者が出した4Gbpsを超えるWebサービス構築術を読んだ。
名前が凄いキャッチー。
ユーザとして使っている分にはわからないものだが、livedoorのブログなど(勿論他社の大手Webサービスは大抵)の構築には日々エンジニアが四苦八苦している。
特に如何にサーバコスト(台数然り、使用電源量然り)を抑えるかということを考え、サーバをはじめとしたインフラやその上に乗るアプリケーションを構築している。

この本は特にアプリケーション面でのlivedoorのノウハウをまとめた感じだ。
やはりこの手のWebサービスになるとかなり効率的にキャッシュを使いアプリケーション面でトラフィックを抑えるかとうことを考えシステムを構築している模様。

かなり細かいPerlのモジュールの解説やソースコードレベルの内容もあり、実際に使ってみないとピンとこない部分もあるけど、技術に強くなくても何となくどんな事を考え日々Webサービスが作られているのだろうかということはわかる。
個人的にはモバイルについて触れられていたがその内容は面白かった。

ちなみにライブドアのディレクターブログというものが存在していてなかなか面白い。
この本のインタビューも掲載されている。
ライブドアの技術系のブログだと、livedoor開発Blogも以前からかなり愛読している。(これはアンオフィシャル?それとも別部署?)

あと、これ関連の本だと、

[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術 ‾スケーラビリティ、ハイパフォーマンス、省力運用 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術 ‾スケーラビリティ、ハイパフォーマンス、省力運用 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
おすすめ平均
starsネットワークを気にしたことのないサーバエンジニアに捧ぐ
stars現場の知恵が豊富
starsこれからって人向けの本
starsインフラ構築する前に必読です。
starsWebサービスを支えるインフラの最前線がわかる本

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これも面白い。はてなの伊藤直也氏などが執筆。
こちらの本はどちらかというとインフラ寄り。サーバの冗長化やMySQLやApache等のミドルウェアのチューニングやサーバ運用・最適化について書かれている感じ。
この本もやや専門的な内容になっており書いてあることは難しい。
実際にこの手のサービスを乗せている大量のサーバを運用しているなどでないとわからない内容でもあるかもしれない。(もしかしたら大手の会社でインフラ系の仕事をしている人よりベンチャーで500台サーバの管理してますみたいな人向け?)

ただ、こちらの本も実際にどのようにして日々エンジニアがサーバの運用と最適化を考え取り組んでいるかということを知る意味ではいい本だと思う。

個人的にはNagios(サーバが落ちた時に知らせてくれるソフト)でのアラート先(通常担当者の携帯アドレスなどを登録した緊急時用ML?)について、はてなの場合は、緊急時用MLに加えIRCにメッセージを飛ばすとか書いてあったのが新鮮だった。
そもそもはてなの開発者はIRCでやりとりしてるのかーみたいな。
今の時代だったらそれぞれの開発者のTwitterのタイムラインにアラートを飛ばすことも可能だなぁとか思ったり。
※僕も前職では携帯にアラートメールが一日10通以上着ていた。

Googleを支える技術 ‾巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)
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おすすめ平均
stars量との戦いは、質との戦い
starsグーグルの電気代は気にしたことなかった...
starsエンジニア向けグーグル本
stars「Google誕生」との併読がおすすめ
stars大変わかりやすい

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こちらの本も上で紹介した本と関連が深い。
Googleのサーバの運用や大規模なストレージシステムやMapReduceによる集計などが書いてある。
内容としては技術的な内容は少ないので文型の人でも読みやすい。
もうこの本出てから1年以上たつのかな。当時出た時買おうと思ったけど、売り切れ続出で手に入れるのに苦労した記憶がある。

まあでもどうやってGoogleが瞬時に検索クエリから結果ページを表示させてるかという謎が解ける。
ただ、一般市民からするとかなり遠い存在な気が。。。なんたってサーバは数百万台とか桁が違いすぎる。
この辺の技術系の読み物としてはオススメです。


ちょっとlivedoorの本が出たタイミングで関連した本を紹介してみた。
個人的にはWebサービスを自社で運営している仕事にかかわってる人はたとえ営業職であっても軽くぱらぱらとめくってみてもいいような内容かなと思う。
僕も技術者ではないが、前職が正に秒間1万アクセスとかそういう世界のサービス運営にかかわっている仕事だったので改めてこういう本を読むとわかることが多い。逆にどこも同じようなことをやってるんだなとも思ったりするが。

自分もそうだったが、ちょっと前に大学生が書いたWeb系サービスを立ち上げるようなビジネスプランを見たりする機会があったが、このようなサービスに関する感覚が非常に希薄な気がする。
極端な話、月間100億PVのサイトを作ります!という割にはサーバは1台でDELLのPowerEdge(10万円)でみたいなノリだとちょっとそのコストの試算は違うんじゃないかなみたいなのは多くあるような気がする。

大学時代に立ち上げたベンチャーのプラスゲーテで最初にリリースしたサービスもなんだかんだでDBもウェブも全て同一サーバ一個で運営してたしなぁ。
意外とどういうサーバ構成でみたいなのは、学校で教えてくれるものではなく実際にそういうサービスを運用している会社に入って始めてその世界観がわかるものだ。
大学生の時に前の会社の内定者バイトをしている時にこの手のサーバによるサービスの限界についてマネージャーから初めて話を聞いた時はそういう世界観なのかと結構びっくりした記憶がある。

とまあ長くなったがこのlivedoorの本を読んで他二冊の書評を書いて色々思いついたので思うところを書いてみた。
しかしこの手の内容は面白いね。多分インターネットベンチャーの一番面白いところかもしれない。
何気に前職で自作サーバを作ったりとか楽しかったなぁ。アキバでPC用のパーツ買って組み立てたりとか。アキバに行ってタクシーでマザーボード等5セット分買って積んで帰ってきたのとか良い思い出。参考

あぁ、そろそろ寝ないと。
ファイナンスの勉強の息抜きに違う分野の本を読むとなかなか効果的な気がしてきたなー。






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2009年08月26日 01:40に投稿されたエントリーのページです。

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